Sociology社会学専攻

社会学専攻

社会学専攻は社会学研究科では最も早く、1951(昭和26)年4月5日に開設されました。当時から学部を越えて幅広い調査研究を進めることを考え、文学部・経済学部・法学部の関連教員を主体に学部とは独立した形でつくられました。こうした独立大学院の姿勢は現在に至るまで貫かれ、また単に学部のみでなく教職課程センター、メディア・コミュニケーション研究所など本塾の各研究機関とも密接な関係を有し、研究科委員にはこれらと兼任している者も少なくありません。研究科委員の専門分野を補うため、非常勤講師や国内外からの特別招聘講師による授業なども豊富に準備されています。

社会学専攻の基本的な授業科目構成として、修士課程では、個別的なテーマや領域を研究する特論(講義)科目と演習科目が置かれています。後期博士課程では、この個別的テーマや領域研究をさらに深めるための高度な研究が可能となるように特殊研究(講義)と特殊演習が設置されています。それ以外に、下記の各専門領域で紹介しているような、特徴的な授業科目が開講されています。

また、社会学的研究のスキルをブラッシュアップするため基礎的理論や研究方法を学ぶ授業や、留学生の母国語(現在は中国語及び英語)による授業も実施されます。中国語授業は中国から塾に留学し学位取得後に塾で研究教育を続けている教員が担当します。国際的な研究活動を支援するために、外国語論文の執筆サポート、国内外への学会や研究会に学生と教員が共同報告者として参加を促す授業もあります。さらには米国留学を支援する社会学専攻独自の基金運用も新設の予定です。1987年には、社会学専攻所属の研究科委員を中心にして、慶應義塾大学に関わる社会学研究者の学会として「三田社会学会」が設立されました。学生の研究支援や研究発表の場、さらには相互交流を学会活動のひとつとしており、若手研究者への総合的なサポートにもなっています。

社会学

修士課程では、社会科学方法論、社会調査論、社会学史特論・演習など、社会学研究の基礎的枠組み構成に関連する科目、および個別的なテーマや領域を研究する特論(講義)科目、演習科目が置かれています。後期博士課程ではこの個別的テーマや領域研究をさらに深めるための授業科目が設置されています。具体的な研究テーマや領域には、社会学理論・社会学史研究などの理論・学説研究をはじめ、民族・エスニシティー、都市・地域、社会史、国際社会、グローバリゼーション、家族、生活史、ライフストーリー研究、文化、階層、不平等、福祉、医療、消費者行動、合理的選択、サブカルチャー、ジェンダー、科学論などがあり、統計学や量的研究あるいは質的研究、映像エスノグラフィーやアートベース・リサーチといった方法論があります。個々の人間存在に関連する問題からグローバルな社会変動に関する問題にまで、社会と人間に関する多元的で多様な理論的、実証的研究が行われています。

文化人類学・民俗学

文化人類学は、修士課程では学説史、方法論、調査法、特定の研究課題、地域研究など、基礎から応用まで幅広い分野を総合的に把握する科目を設置しています。研究主題は家族、親族、宗教、政治、医療、祭祀芸能、口頭伝承、民族、エスニシティー、移民、移動、植民地主義、観光、文化遺産、アジア、ラテンアメリカをはじめとする地域研究、さらには多文化間精神医学など多岐にわたります。また、広義の日本研究を行う民俗学に関する科目も設置しています。文化人類学と民俗学の両方を学ぶことで、異文化を理解し、日本と外国を比較する視点が養われるでしょう。後期博士課程では、各自の研究主題について、実証的なデータと理論的考察を結び付けて更に考察を深めていきます。文化人類学・民俗学では、質的調査による一次データを重視するため、後期博士課程を中心にフィールドワークを組み込みます。各自の関心に基づき国内外で調査を行い、グローバル化により急速に変化する文化と社会の実態についてを進めます。

コミュニケーション/マス・コミュニケーション研究

この分野では、修士課程および後期博士課程において、様々なコミュニケーション過程や現象に関する研究・教育を行っています。具体的にはメディア利用行動、広告、普及学、情報行動、情報社会論、マス・コミュニケーション、SNS、ニュースの生産過程とジャーナリズムなどの諸問題の検討が展開されています。主にメディア・コミュニケーション研究所(旧慶應義塾大学新聞研究所)が主体になって究明してきた分野が主題になります。

社会心理学

修士課程で扱う授業科目の主たる研究テーマとして、対人コミュニケーション、対人的影響、ソーシャル・サポート、対人魅力、対人葛藤、ゲーミング、環境配慮行動、集団、リーダーシップ、キャリア発達などを挙げることができます。社会心理学、メディア心理学から進化心理学まで幅広く、他者の存在をキーワードにして個人、集団、社会における人間の行動やそのメカニズムを明らかにすることを目指しています。 後期博士課程には、修士課程の研究をより発展させ、複数の研究を組織立てて博士論文研究につなげていくことが可能となるような授業科目が設けられています。受講生は、主に質問紙調査や実験、面接調査によってデータを収集し、高度な統計的分析を用いる実証的な研究を行っています。

Faculty社会学専攻 教員紹介

李 光鎬Kwangho Lee 文学部教授

  • メディア・コミュニケーション研究
  • 普及学
  • 社会心理学

李 津娥Jinah Lee メディア・コミュニケーション研究所教授

  • 広告研究
  • メディア心理学
  • 社会心理学

稲葉 昭英Akihide Inaba 文学部教授

  • 家族社会学
  • 計量社会学
  • 社会統計学
  • 社会福祉学

今井 芳昭Yoshiaki Imai 文学部教授

  • 社会心理学
  • 対人影響論
  • 社会的影響力研究

大久保 教宏Norihiro Okubo 法学部教授

  • 宗教学
  • 宗教史学
  • 宗教社会学
  • ラテンアメリカ研究

太田 淳Atsushi Ota 経済学部教授

  • インドネシア社会経済史
  • 東南アジア地域研究

岡田 あおいAoi Okada 文学部教授

  • 家族社会学
  • 家研究
  • 家族史
  • 歴史人口学

織田 輝哉Teruya Oda 文学部教授

  • 理論社会学
  • 合理的選択理論
  • 進化ゲーム理論
  • 社会的公正
  • 計量社会学
烏谷 昌幸

烏谷 昌幸Masayuki Karasudani 法学部教授

  • 政治コミュニケーション
  • メディア社会学

神田 さやこSayako Kanda 経済学部教授

  • 南アジア社会経済史
  • 南アジア地域研究

北中 淳子Junko Kitanaka 文学部教授

  • 医療人類学
  • 精神医学史
  • 多文化間精神医学

金 柄徹Byungchul Kim 文学部教授

  • 文化人類学
  • 東アジア地域研究

佐川 徹Toru Sagawa文学部准教授

  • 文化人類学
  • アフリカ地域研究

澤井 敦Atsushi Sawai 法学部教授

  • 社会理論
  • 社会学史
  • 死と死別の社会学

塩原 良和Yoshikazu Shiobara 法学部教授

  • 国際社会学
  • 多文化主義・多文化共生と移民・外国人住民
  • ナショナリズムと排外主義
  • オーストラリア社会研究

杉浦 淳吉Junkichi Sugiura 文学部教授

  • 社会心理学
  • 環境行動論
  • リスクコミュニケーション論
竹ノ下 弘久

竹ノ下 弘久Hirohisa Takenoshita 法学部教授

  • 社会階層論
  • 計量社会学
  • 制度と不平等
武山 政直

武山 政直Masanao Takeyama 経済学部教授

  • サービスデザイン
  • 行動デザイン
  • マーケティング論
  • 経済地理

近森 高明Takaaki Chikamori文学部教授

  • 都市社会学
  • 文化社会学
  • 技術社会史

常松 淳Jun Tsunematsu文学部教授

  • 法社会学
  • 科学社会学
  • 社会学方法論

平石 界Kai Hiraishi 文学部教授

  • 進化心理学

三尾 裕子Yuko Mio 文学部教授

  • 文化人類学
  • 東アジア地域研究 
森川 剛光

森川 剛光Takemitsu Morikawa 文学部教授

  • 理論社会学
  • 社会学史
  • 知識社会学
  • 文化社会学
  • 世界社会論
山腰 修三

山腰 修三Shuzo Yamakoshi 法学部教授

  • メディア研究
  • ジャーナリズム研究
  • マス・コミュニケーション研究
  • 政治社会学