Psychology 心理学専攻

本塾における心理学の講義は1877(明治10)年に始まり、1926(昭和元)年には実験室が開設され、動物実験室は戦後の1952(昭和27)年につくられています。実験心理学の祖であるヴントがライプツィヒに実験室を創設したのが1879(明治12)年であることを考えれば、慶應義塾における長い心理学の歴史を感じとることができると思います。創設者の横山松三郎以来、本塾における心理学は様々な変貌を遂げてきましたが、いたずらな思弁を排した、厳密な実験と徹底的なデータ分析による実証研究の伝統は我々が誇る学風です。本塾では、これまでに多くの優れた心理学者を輩出してきました。国外で教鞭をとっている者も少なくなく、また、行動薬理学や神経科学などの隣接領域に進出して第一人者になっている者もいます。

本研究科における心理学専攻は、そのような伝統を踏まえた実験心理学を主とした専攻です。院生は講義・演習の授業に参加するとともに、自ら実験を行うことにより研鑽を積むことになります。実験は、院生自身のアイディアに基づく修士論文あるいは博士論文の研究と、各指導教授が主宰する研究への参加という2つの形態があり、前者では問題発見能力と独創性を身につけ、後者で様々な技法や、将来自身で研究室を主宰するようになった場合の研究運営の方法を学びます。つまり、講義・演習を中心とする「知識の習得」と、研究指導を中心とする「技能・方法の習得」の両方にわたる教育が行われています。

本専攻の実験室は三田・綱町・日吉の3カ所に分かれており、三田では主として人間の認知・行動・発達に関する研究が、大学院実習室では定型発達児、発達障害児の研究と、行動修正学、臨床発達心理学の実習と研究が行われています。実習室での臨床経験によって、臨床発達心理士の取得を目指す学生も多くいます。綱町には動物実験室があり、行動実験・生理実験・薬理実験が、また、日吉では知覚や認知神経科学などの研究が行われています。主たる研究領域としては、行動分析学、知覚心理学、認知心理学、発達心理学、生物心理学、認知神経科学があります。

一方では幅広い視野を養ってもらうために、非常勤講師を招いて、神経科学、行動計量学、精神動作学、臨床心理学、発達障害学、精神医学、応用行動分析学などの講義を行っています。また「心理学コロキウム」として、教員、若手研究員、大学院生全員が参加する研究発表の場を設けており、院生が研究をまとめ発展させる上で、貴重な機会となっています。  さらに、国際的な視野をもって研究を進めてもらうために、国際学会での研究発表や英語論文の執筆が奨励されているだけでなく、機会をとらえて、海外の著名な学者を特別招聘教授やゲストとして招き、講義や演習、講演会を行っています。

Faculty心理学専攻 教員紹介

伊東 裕司Yuji Itoh 文学部教授

  • 実験心理学
  • 認知心理学
  • 記憶研究
  • 司法心理学

梅田 聡Satoshi Umeda文学部教授

  • 認知神経科学
  • 神経心理学
  • 認知心理学

坂上 貴之Takayuki Sakagami 文学部教授

  • 実験心理学
  • 行動分析学
  • 行動経済学
  • 意思決定理論

中野 泰志Yasushi Nakano 経済学部教授

  • 実験心理学
  • 知覚心理学
  • 視覚障害学

山本 淳一Junichi Yamamoto 文学部教授

  • 発達心理学
  • 臨床発達心理学
  • 応用行動分析学
  • 発達障害学

渡辺 利夫Toshio Watanabe 環境情報学部教授

  • 空間知覚
  • 空間認知
  • 尺度構成
  • 数理モデル構成